GoProでのスローモーション動画についてまとめています。スローモーションの知識から実際の撮影方法とその設定まで紹介しているので、これさえ読めばGoProでのスローモーション動画の撮影がバッチリできますよ!
どうも、GoPro大好きナシタカです。
この記事ではGoProでのスローモーションの撮影方法とその考え方についてまとめていきます。
GoProはHERO5以降から撮影できるフレームレートが大幅に向上し、よりスローモーションの活用がしやすくなりました。
なので気軽に撮影ができるようにはなったのですが、初めての場合はスローモーションってどうやって撮影すれば良いのか分かりにくいんですよね。
撮影の方法は?動画の設定は?など敷居が高いので、そのあたりの疑問に答える形でスローモーションの基本をしっかりと解説していきます。
これさえ読めばGoProでのスローモーション撮影についてはバッチリの知識が得られますので、ぜひ勉強してくださいね。
スローモーションはフレームレートが命
スローモーションで大切なのはフレームレートの設定です。
フレームレートとは1秒あたりどのくらいのコマ数で撮影しているかを表すもので、GoProではFPS(frame per second)として設定します。
FPSは、パラパラマンガをイメージしてもらえるとわかりやすいです。
パラパラするページ数が少ないと動きを細かく表現できないので、見ていると大きく荒い動きになりますよね?
逆にページ数を多くするとそれだけ間の細かい動きを表現できるので、動きが滑らかに見えます。
FPSを理解していないと滑らかなスローモーションを作ることができず、イメージしていた動画を作ることができません。
まずはスローモーションとフレームレートの関係について知りましょう。
スローモーション設定の考え方
ここではスローモーション設定の基本的な考え方について説明します。
動画に必要なフレームレート
身近な映画やテレビのフレームレートが、どのくらいか知ってますか?
ちなみに以下のようになっています。
映画 | テレビ |
---|---|
24fps | 30fps |
テレビのフレームレートがこのくらいなので、動画としては通常30fpsがあれば十分というわけですね。
30fpsは1秒あたり30コマのパラパラ漫画のこと。逆に30コマがないと滑らかな動画になりません。
スローモーションとフレームレート
スローモーションの撮影は、撮影時からスローモーションで撮影しているわけではなく、後から編集によって再生速度を遅くしているのです。
再生速度を遅くすることは簡単で、1/2とか1/4、やろうと思えば1/20にもできます。
しかし、ここで問題になるのがフレームレート。
例えば30fpsで撮影した1秒の動画を、再生速度を1/2にして2秒に引き伸ばしたとします。
しかし実際に撮影した動画は30fpsなので、1秒あたり30コマしか撮影できていません。
そのため再生速度を半分に遅くするために仕方なく、1秒あたり15コマに減らして2秒の動画にするわけです。
すると当然ですが30コマ必要なところが15コマしかないのでコマ数が足りなくなり、結果として動きがカクカクとしてしまうのです。
つまり大切なのは作成する動画のフレームレートを考えることと、速度を遅くするのに必要なフレームレートを意識すること。
今回の例では30fpsの動画でしたが、動きの速い動画では60fpsはないと滑らかに見えません。
例えばゲームプレイの動画とかスポーツなどの動きが激しいものですね。
なのでその場合は、さらに高いフレームレートの撮影素材が必要になります。
実際の作成例とフレームレート
では実際にスローモーション動画を作成するために必要なフレームレートについて考えてみましょう。
まずは30fpsの動画を作成する場合に、スローモーション部分を1/2に遅くしようとしたら、必要なフレームレートは2倍の60fps。
30fpsの素材を使って1/2の速度にすると、コマ数が半分の15コマになってしまい、動きがカクカクとした状態になってしまいます。
60fpsの素材であれば1/2の速度で30コマになってちょうど良いので、スローモーションでも動きが滑らかになるのです。
こちらが実際に作成してみた動画になります。
フレームレートは30fpsですが全体の再生速度を1/2と半分に遅くしていて、30fpsと60fpsの素材を交互に並べてスローモーションにしたときの違いを比較しています。
水面や風に揺れる草木、風車の動きではその差がハッキリと出ています。またパンニングの動きにしても全く違います。
30fpsの素材はコマ数が足りず、カクカクとした動きになっていて滑らかではありません。
しかし60fpsの素材はコマ数が充分なので、滑らかな動きになっています。
このようにフレームレートの設定を間違えて撮影してしまうと、せっかくのスローモーションが台無しになってしまうのです。
スローモーションのメリット
ここまでスローモーション撮影の基本について説明しました。
いろいろと知識が必要でしかも撮影に気を遣うので、スローモーションなんか使わない方がいいと感じる方もいるのではないでしょうか?
しかしスローモーションは動画の表現以外にも使う理由があり、たくさんのメリットがあります。
手ぶれが気にならない
スローモーションでは動きがゆっくりになるため、撮影時の手ぶれが気にならなくなることが大きなメリットとしてあります。
手ぶれがあると映像の安定感が減ってしまい、ブレが酷いと画面に酔ってしまうことも。
そんな手ぶれもスローモーションにすることで目立たなくなり、安定感のある映像にすることができます。
上で紹介した動画はジンバルを使わずに撮影していますが、HERO6の手ぶれ補正も加わって、ほとんど気にならないレベルに仕上がっていますよね?
このようにスローモーション動画であれば撮影時に手ぶれを抑えるためのジンバルなどがなくても大丈夫です。
気軽に撮影できるのも、スローモーションの大きなメリットですね。
動きをしっかりと表現できる
スローモーションにしてあげると細かい動きまで伝わるのでより動画での表現が広がります。
特にスピードの落差が出ることで、普通の動画でのスピード感をより増すことも可能。
スローモーションは普段での生活で絶対に味わえない視点なので、映像に入れるとアクセントになってくれます。
こうした表現の1つとしてスローモーションを入れてあげると、動画のクオリティがさらに上がりますよ。
スローモーションのデメリット
これだけメリットが有るスローモーションですが、もちろんデメリットもあります。
ファイル容量が重くなる
1つめがファイル容量が重くなること。
高フレームレートにすると1秒あたりのコマ数が増えるので、より滑らかな動画になりますが、コマ数が増えた分だけ動画の容量も増えることになるのです。
例えば同じファイル形式で同じ長さの30fpsの動画の容量が、10MBだったとしましょう。
60fpsの動画だとコマ数が2倍なので、単純計算で2倍の20MBの容量が必要。
つまりフレームレートが上がれば上がるほど、倍以上の容量となっていくわけです。
PCから閲覧していれば特に問題ないかもしれませんが、スマホのモバイル通信で動画を観る場合にはこうした容量がかなり重要。
通信状況が少しでも悪くなると、重たい動画をスマホで再生することが難しくなります。
フレームレートと動画容量はトレードオフの関係にあると覚えておきましょう。
映像が暗くなりやすい
高フレームレートでの撮影ではシャッタースピードが速くなるので、自然とシャッターの開く時間が短くなり光が十分に取り込めなくなります。
そのため昼間であれば問題なのですが、薄暗い環境ではシャッタースピードが速く、光量が少なくなって映像が暗くなりやすいのです。
どんな環境でも撮影できるわけではなく、光量が十分の明るい環境での撮影が必須になるので、その点だけ気をつけましょう。
GoProのスローモーション設定の実際
スローモーションの基本を理解できたら、今度は各GoProでスローモーションを撮影するための設定について見ていきましょう。
30fpsの動画を作成する場合
スローモーション部分が1/2の速度なら60fps、1/4なら120fps、1/8なら240fpsが必要。
なので4K60fpsまたは2.7K120fps、1080p240fpsで動画を撮影する必要があります。
HERO5 BLACKと違ってかなり高い解像度で撮影できるのがHERO6の強み。1/2の速度なら4Kで撮影できますからね。
60fpsの動画を作成する場合
スローモーション部分が1/2の速度なら120fps、1/4なら240fps、1/8なら480fpsが必要。
なので2.7K120fpsや1080p240fpsで撮影を行います。
HERO5 BLACKでは撮影不可能だった480fpsの素材は、やはりHERO6でも撮影することはできません。
なので60fpsで1/8の速度は不可能というわけですね。
以上を一覧にするとこんな感じ。
作成したい動画のFPS | 1/2の速度 | 1/4の速度 | 1/8の速度 |
---|---|---|---|
60fps | 1080p/120fps 2.7K/120fps | 1080p/240fps | × |
30fps | 1080p/60fps 2.7K/60fps 4K/60fps | 1080p/120fps 2.7K/120fps | 1080p/240fps |
HERO7 Black以降のGoProは本体でスローモーションの確認ができる
HERO7 Blackからは、本体のメディア画面で再生速度を遅くできるようになりました。
撮影した映像をスローモーションにするとどのような映像になっているか、その場で映像チェックができます。
スローモーションにするだけで思わぬ瞬間を捉えていることに気づいたりするので、ぜひいろいろと撮影してスローモーションにしてみてください。
まとめ
- スローモーションはフレームレートが命
- フレームレートが高くなるとコマ数が増えて滑らかな動画になる
- スローモーションの速度に合わせて必要なフレームレートの素材を用意する
スローモーションは動画の表現方法として一般的ですが、実際に作成するとなると知識が必要。
ただ遅くするだけではなく、できるだけ滑らかなスローモーション映像を作りたいのであれば、撮影では気を遣う必要があります。
しかし素材がしっかりとしていればスローモーションの良さを最大限に生かした動画編集が可能になるので、動画がさらにおもしろくなるのもまた事実。
普段私達が目にする世界も、スローモーションにするだけで印象ががらりと変わります。
そんな新しい世界に導いてくれるスローモーションを、ぜひ皆さんも楽しんでくださいね。