どうも、GoPro大好きナシタカです。
アクションカメラとして有名なGoProですが、弱点としてよく言われるのがズーム撮影が苦手なこと。
遠くのものを撮影する用途には向かず、なんだか使いにくそうだなと思われてしまうことがあります。
この記事ではズームが苦手という弱点を補うために、僕が活用している方法について紹介します。
これを活用すれば遠くのものだけでなく、近くのものを撮影する感じを出すなど編集の自由度が上がりますよ。
GoProのズーム機能「タッチズーム」
GoProはHERO6 Blackから『タッチズーム』と呼ばれる、ディスプレイ上のスライダーを動かしてズームする機能が搭載されました。
最初にこの機能を知ったときには「これでGoProでもズーム撮影ができる!」とワクワクしたものです。
実際にタッチズームで撮影したのがこちら。まずはズーム前。

こちらがズーム後の写真です。

この時は距離がありましたが、撮りたかったスカイツリーがより大きく映すことができました。
しかしいざ使ってみると、タッチズームにはこのようなデメリットがあります。
- 機能や倍率に制限が出る
- 画質が劣化する
- FOVが「SuperView」では使えない
- 写真撮影ではRAW形式と露出コントロールがオフになっている
- ビデオ撮影中のズーム変更はできない
特に気になるのが上の2つです。
まず1つめですがGoPro HERO10を例にすると、手ブレ補正の『ブースト』とは併用ができません。
手ブレ補正の『高』なら併用ができますが、ブーストの手ブレ補正が欠かせないときには微妙…。
また撮影モードによって倍率が限られてしまいます。
- 動画 → 最大で1.4倍
- 写真 → 最大で2倍
このように動画では1.4倍までしかズームができません。
そして2つめが画質が劣化すること。
GoProの場合は電子ズームという『映っている映像をそのまま拡大している状態』なので、画質が劣化してしまうんですよ。
元の解像度から画質が落ちるので、最終的に書き出す動画サイズを意識しないと荒い映像になってしまいます。
例えば最終的に1080pの映像を書き出したいのであれば、解像度1080pでズーム撮影をしてしまうと画質が劣化してしまいます。
このようなデメリットがあるので、僕はタッチズームを使う場面がほとんどないのが正直なところ。
GoProで撮影した映像をズーム編集する実際の流れ
GoProでズームをしたいのであれば、動画編集で映像をズームにするのが最もおすすめの方法です。
流れがこちらになります。
4K解像度以上で映像を撮影する
まずは編集に使う映像素材を撮影しますが、ポイントが解像度を4K以上に設定しておくこと。
フレームレートに関しては特に指定はありませんが、もしスローモーションにしたい場合には高フレームレートで撮影しておきましょう。
編集動画のサイズをフルHDにする
僕はAdobe Premiereで編集しているので、そちらを基本に説明していきますね。
まず撮影した4K映像をPremiereに読み込みましょう。

次に読み込んだ映像をタイムラインにドラッグ。配置した映像に最適なシーケンスが自動で作成されます。
ただ撮影した素材が4Kなので、自動で作成されたシーケンスも4Kサイズのものに。サイズをフルHDに修正する必要があります。
と言っても作業は簡単で、上部メニューの『シーケンス』→『シーケンス設定』を選びます。

シーケンスの設定画面が表示されます。後はサイズを『1920×1080』にするだけでシーケンスの設定は完了です。

これで1920×1080のフルHDサイズのシーケンスを作成することができました。
4K映像素材を拡大する
シーケンスを作成できたら今度は映像素材を編集しますが、ここで4K以上の素材を使うメリットが出てきます。
例えば4Kの解像度は3840×2160ですが、実はフルHDのちょうど2倍の解像度になっています。つまり2倍の拡大まで耐えられるということ。
タイムラインに映像をドラッグするとシーケンスのサイズに合わせてスケールが100%になっています。
つまりタイムラインに載せた時点ですでに2倍の拡大率になっているということです。

これで4K映像の一部が拡大された表示になるので、あたかもズームして撮影したかのように見せることができます。
元の映像を確認したいときはスケールを50%にしてみましょう。
4Kで撮影した時と同じ画角での表示に戻るので、そこからズームしたいポイントを選び直すのもおすすめ。

これを書き出せばズーム編集の映像が完成です。実際に書きだしてみた映像がこちら。
梅の花を撮影した映像が、あたかもズームで撮影したように表現できています。
ズーム編集の解像度と倍率
書き出す解像度とズームできる倍率をまとめたのがこちら。
GoPro HERO10 BLACKの5.3Kなら、フルHD書き出しで最大2.8倍とかなりズームできます。
4K動画でも1.4倍ズームできるので、ズームしてもキレイな映像が楽しめますよ。
ズーム編集のメリットとデメリット
ズーム編集にはメリットとデメリットがあり、それぞれこのようになっています。
メリット1|画質の劣化が防げる
最大のメリットは映像の劣化が防げること。
GoProに備わっているズーム機能で撮影しても、結局は元の解像度をズームしているだけなので画質は落ちてしまいます。
しかしこのズーム編集であれば4K以上なら解像度を十分に確保できるので、映像の画質を保てます。
よりキレイな映像でズームできるのが最高です。
メリット2|後からズームができて編集の自由度が上がる
さらに便利なのが『編集の自由度』。
GoProのズーム機能で撮影した映像はすでにズームされた状態で記録されるので、後からズームの場所を変更することができません。
しかしズーム編集であれば4K以上の素材なら自由にズームするポイントを変更できます。
「この場所のズームが欲しかった」などの要望にも応えられるので、後悔することも減りますよ。
メリット3|近距離撮影にも対応できる
さらにズーム編集を活用すると、近距離撮影にも対応できます。
GoProはパンフォーカスという一定距離以上はピントが合うレンズとなっており、代わりに近くを撮るとボケてしまうのが欠点。
近くまで寄ることができないので、その分背景まで余分に撮影することに…。
そうした時にもズーム編集を利用すれば、あたかも近距離で撮影したような映像にすることも可能。
ズーム編集は、マクロ撮影のような編集もできる便利な方法なのです。
デメリット1|書き出し解像度が限定される
デメリットとしては書き出しの解像度が限定されるところにあります。
最終的に書き出す映像をフルHDなど、映像素材よりも下の解像度で書き出さないといけません。
つまり書き出す映像のサイズが大きくなれば、それだけズームの倍率も制限されるというわけ。
デメリット2|使える編集ソフトが限られる
もう一つのデメリットが、ズーム編集ができる編集ソフトが限られること。
そもそも4Kの映像の編集が必要ですし、4K映像をフルHDサイズにスケール調整しなければいけません。
僕の使っているAdobe Premiereなら問題なくできますが、その他のソフトでそういった編集ができるかは分かりません。
なのでこうした編集をするためにも、編集ソフトはPremiereがおすすめです!

デメリット3|ブレが目立つ
ズームすることで映像の動きが速くなることや手ブレが目立つことです。
4Kサイズでは気にならなかったスピードや手ブレも、ズームすると大きい動きになってしまうので注意が必要。
そのためズーム編集が前提であればカメラをいつもよりゆっくり動かす、固定して撮影するなどの工夫が大切。
僕は高fpsで撮影して後からスローにしていますが、そうすると手ブレ自体も目立たなくなるのでとてもおすすめです。
どうしても手ブレが入ってしまうのであれば、いっそのことスローで編集するつもりで考えた方がシンプルに撮影できますよ。

まとめ|ズームを活用して動画編集をより楽しもう!
色々と条件があるので誰でも利用できる方法ではありませんが、条件が合えばとても便利な方法です。
GoProのデメリットであるズーム機能が弱いことやピント操作ができないなどの弱点も、編集の仕方次第ではカバーすることができます。
そうすればGoProの持ち運びが楽で簡単にキレイな映像が撮影できるなど、長所をより活かせますからね。
とても使いやすい編集方法なので、ぜひ一度試してみてください!

