どうも、GoPro大好きナシタカです。
アクションカメラとして有名なGoProですが、弱点としてよく言われるのがズーム撮影が苦手なこと。
最大で1.4倍までしかズームができないため、運動会など遠くのものの撮影にはほとんど役に立ちません。
動画編集で少しはカバーできますが、それでもズーム目的で購入するカメラではないので、そこだけは間違えないようにしましょう。
GoProのズームは最大で動画1.4倍、写真2倍まで
GoProはHERO6 Blackから『タッチズーム』と呼ばれる、ディスプレイ上のスライダーを動かしてズームする機能が搭載されました。
HERO10でいうと撮影画面右下にある、虫眼鏡アイコンをタップすると使えます。
ズーム倍率は動画と写真で違いがあります。
- 動画 → 最大1.4倍
- 写真 → 最大2.0倍
動画では最大1.4倍となっているため、正直ほとんどズームとしては役に立つものではありません。
さらにGoProはデジタルズームを採用しており、これは映像をただ拡大して表示している状態のこと。つまり、拡大するほど画質が悪くなっていきます。
画質が悪くなるのはイタいです…
なのでGoProのズーム機能は、あくまでオマケ機能ぐらいで考えていたほうがおすすめ。デジカメのようなズームを期待するのはやめておきましょう。
GoProのズームが使えないときの原因
GoProのズーム機能はいつでも使えるわけではなく、使えない設定などがあることも厄介なところ。主な原因がこちらの4つです。
- 動画の撮影中
- HyperSmoothがブースト
- FOVがSuperView
- 写真でRAWをオン
まず動画の撮影中にズーム倍率を変えることはできません。撮影中に「少しズームしたいな」と思うときがありますが、そういったタイミングでサッと使えないのは残念…。
さらに2,3の設定はズームを使うタイミングではないのでいいんですが、RAWを使った写真で使えないのは微妙ですね。「ここをアップ気味にして後で色味を調整…」といった使い方ができないので、RAWを使いたい人は覚えておきましょう。
このように制限が多いため、使い所がまったくないのが正直なところ。おまけレベルの機能なので、期待は禁物です。
GoProのズームは運動会にも使えない
最初に伝えたように、GoProのズーム倍率は動画で最大1.4倍なので、運動会ではまったく使い物にならないレベルです。
幼稚園のお遊戯会など、比較的距離が近めのイベントでもまったく使えないので、絶対にズームカメラとしての利用はやめておきましょう。
僕はGoProは使わずに、素直に4K撮影ができるビデオカメラを使っています。最近は三脚の利用も注意されるので、手持ちでブレが出にくいハンディカメラが最強です。
GoProで撮影した映像をズーム編集する実際の流れ
ここまでGoProのズーム機能の使いにくさがわかったと思いますが、ではどうすればいいのか?
僕のおすすめは動画編集で映像をズームにするのが、最もおすすめの方法。解像度は落ちても、2倍以上のズームにすることもできます。
ただこの方法でもズーム倍率は4Kで1.4倍と限られるので、あくまで画質を落としたくないときに試してください。
流れがこちらになります。
4K解像度以上で映像を撮影する
まずは編集に使う映像素材を撮影しますが、ポイントが解像度を4K以上に設定しておくこと。
フレームレートに関しては特に指定はありませんが、もしスローモーションにしたい場合には高フレームレートで撮影しておきましょう。
編集動画のサイズをフルHDにする
僕はAdobe Premiereで編集しているので、そちらを基本に説明していきますね。
まず撮影した4K映像をPremiereに読み込みましょう。
次に読み込んだ映像をタイムラインにドラッグ。配置した映像に最適なシーケンスが自動で作成されます。
ただ撮影した素材が4Kなので、自動で作成されたシーケンスも4Kサイズのものに。サイズをフルHDに修正する必要があります。
と言っても作業は簡単で、上部メニューの『シーケンス』→『シーケンス設定』を選びます。
シーケンスの設定画面が表示されます。後はサイズを『1920×1080』にするだけでシーケンスの設定は完了です。
これで1920×1080のフルHDサイズのシーケンスを作成することができました。
4K映像素材を拡大する
シーケンスを作成できたら今度は映像素材を編集しますが、ここで4K以上の素材を使うメリットが出てきます。
例えば4Kの解像度は3840×2160ですが、実はフルHDのちょうど2倍の解像度になっています。つまり2倍の拡大まで耐えられるということ。
タイムラインに映像をドラッグするとシーケンスのサイズに合わせてスケールが100%になっています。
つまりタイムラインに載せた時点ですでに2倍の拡大率になっているということです。
これで4K映像の一部が拡大された表示になるので、あたかもズームして撮影したかのように見せることができます。
元の映像を確認したいときはスケールを50%にしてみましょう。
4Kで撮影した時と同じ画角での表示に戻るので、そこからズームしたいポイントを選び直すのもおすすめ。
これを書き出せばズーム編集の映像が完成です。実際に書きだしてみた映像がこちら。
梅の花を撮影した映像が、あたかもズームで撮影したように表現できています。
GoProのズーム編集の解像度と倍率
書き出す解像度とズームできる倍率をまとめたのがこちら。
GoPro HERO10 BLACKの5.3Kなら、フルHD書き出しで最大2.8倍とかなりズームできます。
4K動画でも1.4倍ズームできるので、ズームしてもキレイな映像が楽しめますよ。
GoProのズーム編集のメリットとデメリット
ズーム編集にはメリットとデメリットがあり、それぞれこのようになっています。
メリット1|画質の劣化が防げる
最大のメリットは映像の劣化が防げること。
GoProに備わっているズーム機能で撮影しても、結局は元の解像度をズームしているだけなので画質は落ちてしまいます。
しかしこのズーム編集であれば4K以上なら解像度を十分に確保できるので、映像の画質を保てます。
よりキレイな映像でズームできるのが最高です。
メリット2|後からズームができて編集の自由度が上がる
さらに便利なのが『編集の自由度』。
GoProのズーム機能で撮影した映像はすでにズームされた状態で記録されるので、後からズームの場所を変更することができません。
しかしズーム編集であれば4K以上の素材なら自由にズームするポイントを変更できます。
「この場所のズームが欲しかった」などの要望にも応えられるので、後悔することも減りますよ。
メリット3|近距離撮影にも対応できる
さらにズーム編集を活用すると、近距離撮影にも対応できます。
GoProはパンフォーカスという一定距離以上はピントが合うレンズとなっており、代わりに近くを撮るとボケてしまうのが欠点。
近くまで寄ることができないので、その分背景まで余分に撮影することに…。
そうした時にもズーム編集を利用すれば、あたかも近距離で撮影したような映像にすることも可能。
ズーム編集は、マクロ撮影のような編集もできる便利な方法なのです。
デメリット1|書き出し解像度が限定される
デメリットとしては書き出しの解像度が限定されるところにあります。
最終的に書き出す映像をフルHDなど、映像素材よりも下の解像度で書き出さないといけません。
つまり書き出す映像のサイズが大きくなれば、それだけズームの倍率も制限されるというわけ。
デメリット2|使える編集ソフトが限られる
もう一つのデメリットが、ズーム編集ができる編集ソフトが限られること。
そもそも4Kの映像の編集が必要ですし、4K映像をフルHDサイズにスケール調整しなければいけません。
僕の使っているAdobe Premiereなら問題なくできますが、その他のソフトでそういった編集ができるかは分かりません。
デメリット3|ブレが目立つ
ズームすることで映像の動きが速くなることや手ブレが目立つことです。
4Kサイズでは気にならなかったスピードや手ブレも、ズームすると大きい動きになってしまうので注意が必要。
そのためズーム編集が前提であればカメラをいつもよりゆっくり動かす、固定して撮影するなどの工夫が大切。
僕は高fpsで撮影して後からスローにしていますが、そうすると手ブレ自体も目立たなくなるのでとてもおすすめです。
どうしても手ブレが入ってしまうのであれば、いっそのことスローで編集するつもりで考えた方がシンプルに撮影できますよ。
GoProよりも使いやすいInsta360 Ace Proのズーム機能
Insta360 Ace Proも解像度は落ちますが、画面をタッチするだけでGoProを超える2倍ズームができます。しかもGoProと違い、撮影中にズームできるのが特徴です。
写真で見たのがこちら。さすがに粗さが目立ちますが、少しでも寄りたいときに使えますし、画面タッチですぐに使えるのも良い。
さすがに運動会などの距離があるシーンでは厳しいですが、ちょっと子どもの表情をズームで撮りたいときにサクッと使えるのは便利です。
間違いなくGoProよりは使いやすいので、アクションカメラにズーム機能が欲しい方は、こちらを選ぶのがおすすめ。
まとめ|ズームを活用して動画編集をより楽しもう!
色々と条件があるので誰でも利用できる方法ではありませんが、条件が合えばとても便利な方法です。
GoProのデメリットであるズーム機能が弱いことやピント操作ができないなどの弱点も、編集の仕方次第ではカバーすることができます。
そうすればGoProの持ち運びが楽で簡単にキレイな映像が撮影できるなど、長所をより活かす結果に。
とても使いやすい編集方法なので、ぜひ一度試してみてください!