
この記事ではGoProでズーム撮影のやり方と編集でズームしたような映像を作る方法について紹介しています。GoProでの撮影の幅が広がったり編集で色々と自由動画上がって楽しくなりますよ!
どうも、GoPro大好きナシタカです。
アクションカメラとして有名なGoProですが、弱点としてよく言われるのがズーム撮影ができないこと。
そのため遠くのものを撮影する用途には向かず、なんだか使いにくそうだなと思われてしまうことがあります。
この記事ではそんなズームできない弱点を補うために、僕が活用している方法について紹介します。
これを活用すれば遠くのものだけでなく、近くのものを撮影するような編集もできるのでより編集の自由度が上がります。
ぜひ参考にしてチャレンジしてみてください!
GoProのズーム機能「タッチズーム」
GoProはHERO6 Blackから『タッチズーム』と呼ばれる、ディスプレイ上のスライダーを動かして簡単にズームができる機能が搭載されました。
最初にこの機能を知ったときには「これでGoProでもズーム撮影ができる!」とワクワクしたものです。
実際にタッチズームで撮影したのがこちら。まずはズーム前。

こちらがズーム後の写真です。

この時は距離がありましたが、撮りたかったスカイツリーがより大きく映ってくれているので非常に良いですね。
しかしいざ使ってみるとタッチズームには2つのデメリットがあったのです。
- 使える解像度が限られている
- 画質が劣化する
まず最初のデメリットはタッチズームを使える解像度が限られること。使用できない解像度がこちらになります。
- 4K
- 4K 4:3
- 2.7K120
- 1080p240
これらの解像度とフレームレート以外であれば、タッチズーム機能が利用できます。さらに注意点があり、以下のようになっています。
- FOVが「SuperView」では使えない
- 写真撮影ではRAW形式と露出コントロールがオフになっている
- ビデオ撮影中のズーム変更はできない
特にビデオ撮影中はズーム倍率を変えられないので、使いたい時は注意。そしてタッチズームのもう一つのデメリットが画質が劣化してしまうこと。
GoProの場合は電子ズームといって『映っている映像をそのまま拡大している状態』なので、画質が劣化してしまうんですよ。
つまり元の解像度から画質が落ちてしまうので、最終的に書き出す動画サイズを意識して撮影しないと荒い映像になってしまいます。
例えば最終的に1080pの映像を書き出したいのであれば、解像度1080pでズーム撮影をしてしまうと画質が劣化してしまいます。
その場合は一つ上の2.7Kでズーム撮影しておくなどの配慮が必要。さらに2.7Kでも最大ズームだと解像度が足りなくなるので注意しましょう。
GoProで撮影した映像をズーム編集する実際の流れ
こういったデメリットがあるので、正直僕はタッチズームを使う場面がほとんどありません。
その代わりに撮影時ではなく、編集でズームするようにしていけば良いのではと考えた方法が、僕の中では定番になっています。
流れがこちらになります。
その実際の方法について見ていきましょう。
4K解像度で映像を撮影する
まずは編集に使う映像素材を撮影します。ここでのポイントが撮影での解像度を4Kに設定しておくこと。
フレームレートに関しては特に指定はありませんが、もしスローモーションにしたい場合には高フレームレートで撮影しておきましょう。
HERO6 Black以降であれば、最高の60fpsに設定して撮影するのが良いですね。
編集時のフレームをフルHDにする
次に実際に編集ソフト上での操作について見ていきます。
僕はAdobe Premiereで編集しているので、そちらを基本に説明していきますね。
まず撮影した4K映像をPremiereに読み込みましょう。

次に読み込んだ映像をタイムラインにドラッグ。そうすると、配置した映像に最適なシーケンスが自動で作成されます。
ただ今回は撮影した素材が4Kなので、自動で作成されたシーケンスも4Kサイズのものになっています。そのためシーケンスのサイズをフルHDに修正する必要があります。
と言っても作業は簡単で上部メニューの「シーケンス」から「シーケンス設定」を選ぶだけ。

そうするとシーケンスの設定画面が表示されます。後はサイズを『1920×1080』にするだけでシーケンスの設定は完了です。

これで1920×1080のフルHDサイズのシーケンスを作成することができました。
4K映像素材を拡大する
シーケンスを作成できたら今度は映像素材を編集していきましょう。
ここで4K素材を使うメリットが出てきます。4Kの解像度は3840×2160なのですが、これ実はフルHDの約2倍の解像度になっているのです。
なのめフルHDの1920×1080のシーケンスに4Kの3840×2160の映像であれば、約2倍の拡大まで耐えられるということ。
タイムラインに映像をドラッグするとシーケンスのサイズに合わせてスケールが100%になっています。
つまりタイムラインに載せた時点ですでに2倍の拡大率になっているということです。

これで4K映像の一部が拡大された表示になるので、あたかもズームして撮影したかのように見ることができます。
元の映像を確認したいときはスケールを50%にしてみましょう。
4Kで撮影した時と同じ画角での表示に戻るので、そこからズームしたいポイントを選び直すのもおすすめ。

これを書き出せばズーム編集の映像が完成です。
実際に今回書きだしてみた映像がこちら。
ズーム編集のおかげで梅の花を撮影した時の映像が、あたかも近距離で撮影したように表現できています。
ズーム編集のメリットとデメリット
ズーム編集にはメリットとデメリットがあり、こんな感じです。
メリット1|画質の劣化が防げる
最大のメリットとしては映像の解像度の劣化が防げること。
GoProに備わっているズーム機能で撮影しても、結局は元の解像度をズームしているだけなので画質は落ちてしまいます。
しかしこのズーム編集であれば4Kを利用して解像度を十分に確保しているので、映像の画質を保てます。
つまりフルHDの解像度を保ったまま、ズームで映像を見せることができるということ。
鮮やかな映像でズームができるのはとてもありがたいですね。
メリット2|後からズームができて編集の自由度が上がる
そしてさらに便利なのが『編集の自由度』。
例えばGoProのズーム機能で撮影した映像は、もうズームされた状態で記録されるので後からズームの場所を変更することができません。
それが今回のズーム編集であれば4K素材を後から好きな場所でズームすることができるので、後から思いのままにポイントを変更することができます。
編集の流れに合わせてこの場所のズームが欲しかったなどの要望にも応えられるので、スムーズに作業ができるようになります。
メリット3|近距離撮影にも対応できる
さらにズーム編集を活用すると、近距離撮影にも対応できます。
GoProはパンフォーカスという一定距離以上はピントが合うレンズとなっており、代わりに近くを撮るときにはボケてしまうのが欠点。
そのためあまり近くまで寄ることができずに最低距離が必要で、その分背景まで余分に撮影することになってしまいます。
そうした時にも今回のズーム編集を利用すれば、4Kで撮影したボケのない映像にフルHDの解像度まで寄ることができるので、あたかも近距離で撮影したかのような映像にすることも可能。
ズーム編集はマクロ撮影のような編集もできるとても便利な方法なのです。
デメリット1|書き出し解像度が限定される
デメリットとしては書き出しの解像度が限定されるところにあります。
今回の方法は最終的に完成した映像をフルHDサイズの1920×1080のサイズで書き出すからこそ出来る方法。
つまり書き出す映像のサイズが大きくなれば、ズーム機能も使えなくなります。
フルHDのズーム映像を4Kで書き出せば結局は画質が劣化するので意味がないですからね。
そのため今回の方法は、完成映像をフルHDで書き出す場合にだけ使える編集方法になります。
デメリット2|使える編集ソフトが限られる
もう一つのデメリットが、ズーム編集ができる編集ソフトが限られること。
そもそも4Kの映像を扱えることが必要ですし、4K映像をフルHDサイズにスケール調整しなければいけません。
僕の使っているAdobe Premiereなら問題なくできますが、その他のソフトでそういった編集ができるかは分かりません。
なのでこうした編集をするためにも、編集ソフトはPremiereがおすすめです!
デメリット3|ブレが目立つ
最後のデメリットとしては、映像にズームすることで映像の動きが速くなってしまったり、ブレがより目立つようになってしまうことです。
4K映像ではゆっくりと行った向きを横に変えながらの撮影も、フルHDサイズまでズームすると動きが速くなってしまい見にくい映像となりやすい。
さらに4Kサイズでは気にならなかった手ブレも、ズームするとかなり大きい動きに感じられてしまうので注意が必要です。
そのためズーム編集が前提であればパンニング撮影もよりゆっくりと動きをつけたり、固定して撮影するなどの工夫が大切。
僕は高フレームレートで撮影して後からスローモーションにしていますが、そうすると手振れ自体も目立たなくなるのでとてもおすすめです。
どうしても手振れが入ってしまうようであれば、いっそのことスローモーションにして編集するつもりで考えた方がシンプルに撮影できますよ。
まとめ|ズームを活用して動画編集をより楽しもう!
ズーム編集のメリット
- 画質の劣化が防げる
- 後からズームができて編集の自由度が上がる
- 近距離撮影にも対応できる
ズーム編集のデメリット
- 書き出し解像度が限定される
- 使える編集ソフトが限られる
- ブレが目立つ
以上がズーム編集のメリットとデメリットになります。
色々と条件があるので誰でも利用できる方法ではありませんが、条件が合えばとても便利な方法になります。
GoProのデメリットであるズーム機能が弱いことやピンと操作ができないなどの弱点も、編集の仕方次第ではカバーすることができる。
そうすればGoProのコンパクトで持ち運びが楽で簡単にキレイな映像が撮影できることなどの長所をより活かすことができます。
これを知ってから僕のGoPro撮影は今まで以上に楽しくなりましたし、編集作業もより楽しくなりました。
これからも撮影や編集テクニックを学んでさらにGoProを楽しんで使っていきます!